「歌行燈」詳細
鏡花の名編の味わいを電子書籍で再現
[歌行燈]―初刊版―
泉鏡花一代の傑作として知られる「歌行燈」を電子書籍に仕立てました。
この電子本の一番の特色は、底本をこの小説の最初の刊本である明治45年発行の春陽堂現代文芸叢書版に採り、従来鏡花ファンにとって定本的な位置づけだった岩波鏡花全集に残る、テキスト上の若干の不審点をほぼ解消できたことにあります。これは、鏡花のテキストクリティークに期を画した岩波の新編泉鏡花集に追随したものですが、同書が漢字の多くを新字体に改めているのに対して、本書では鏡花が使用した字体を可能な限り再現するよう努めています。それは、鏡花の文章は単に意味を媒介するだけの存在ではなく、文章の姿そのものが一つの表徴芸術として揺るがせにできず、まして時々の漢字政策に従って軽々に改変していいものではないと考えるからです。もちろんこの電子本も、現在の電子書籍環境の制約によって、すべての字体を再現するには程遠いものがあり、新旧字体の混在という不調和を残しています。ただ、少なくとも新字でパラルビという一般的な鏡花本では味わえない、視覚・聴覚へも濃密に訴える鏡花の文章の、その醍醐味の幾分かを感じて頂けるのではないかと思います。
ファイル形式 | EPUB(DRM無し) |
適合読書環境 | 専用読書端末 | スマートデバイス読書アプリ |
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更新メモ(2017.10.4)
いつのまにか切れていた無料版のダウンロードリンクを復活させました。m(._.)m
mobi版を削除しました。