EPUBをもっと自由に
個人出版EPUB本の読み方
読書端末や読書アプリ上の電子書店から電子書籍を購入する場合とちがい、当サイトのような個人出版のEPUB書籍をウェブからダウンロードして読むには、どうしても一手間必要ですが、一方で専用の端末やアプリに紐づけされていないため、EPUBに対応している限りどの端末・アプリでも読めるというメリットがあります。ここでは、個人出版EPUBファイルを各読書端末やアプリに読み込ませる4つの方法をご紹介します。
準備1 専用読書端末なら、EPUBが読める楽天koboかソニーReaderを用意する
専用読書端末というのは、電子書籍を読むために開発されたリーダーのことです。ほとんどがEインクの白黒画面を備えていて、タッチやスワイプ(画面上で指を滑らせる動作)でページめくりをします。長時間読書しても目が疲れる感じがなく、バッテリーの持ちもほとんど心配する必要がありません。私自身の感想ですが、専用読書端末によって読書の身体的な負担はかなり軽減されました(その辺りの印象は「読書端末の快感」という以前の投稿に記しています)。
現在日本で販売されている専用読書端末は、楽天koboの各機、AmazonのKindle各機がありますが、このうち個人出版のEPUB本を直接読み込んで利用できるのは楽天koboのみです。Amazon KindleはEPUBを変換ソフトで独自形式に変換するという一手間をかければ読むことができますが、独自形式の書籍をAmazonを通さずに販売することは認められていません。また現在は生産停止となっているソニーReaderでも個人出版のEPUB本が読めますので、Amazonなどで中古品を入手してkobo以外の選択肢とすることも可能です。なお、楽天koboの場合は、古いEPUB2フォーマットと最新のEPUB3フォーマットをファイル名に独自の拡張子をつけることで判別しているようで、ファイル名の「.epub」の前に「.kepub」を加えることで、個人出版のEPUBファイルが読めるようになります。当サイトのようにあらかじめファイル名を変更したkobo用EPUBファイルが用意されている場合は、そのままダウンロードして読むことができます。
準備2 スマートデバイスには読書アプリをインストールしておく
スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスで読む場合は、まず読書アプリをインストールしておく必要があります。アンドロイド端末ではGoogle Playストアから、iOS端末ではApp Storeから個人出版のEPUBが読めるアプリを導入します。お勧めは、アンドロイドではソニーのReaderと紀伊國屋書店のKinoppy for Android、iOSでは紀伊國屋書店のKinoppyとアップルのiBooksといったところでしょう。iOS・アンドロイド版のkoboアプリも改良が進んでいますが、まだ若干個人出版EPUBとの相性の悪さが感じられます。当サイトのブログで各読書アプリの評価を行なっていますので、ご参考に。これらの読書アプリはそれぞれ使い勝手や使用しているフォントなども異なりますので、お気に入りのアプリを選んだり、作品によって使い分けたりするのも楽しいものです。いずれも無料でインストールできます。これらを導入すると、EPUBファイルをダウンロートした際、メニューからそれぞれのアプリで開くことができるようになります。
方法1 USBケーブルでつないでパソコンから転送(専用読書端末)
一番基本的な方法です。パソコンと端末をUSBケーブルでつないで、デスクトップで端末にEPUBファイルをコピーします。SDカードスロットもネット接続機能もない読書端末、たとえばソニーReader PRS-350/650の場合はこの方法しか書籍ファイルを読み込む方法はありません。koboの場合はwindowsでは「マイコンピュータ」や「コンピューター」、macではファインダーに、リムーバブルデバイスとしてkoboが現れますので、開いてルートフォルダ(一番上の階層)にEPUBファイルをコピーします。ソニーReaderの場合、パソコンと接続するとインストールしたeBook Transferという管理ソフトが起動しますので、ドラックドロップまたはメニューからファイル転送を選んでEPUBファイルをコピーします。その後、パソコンでデバイス取り外し操作を行なった上でケーブルを外すと、EPUBファイルが読み込まれ読書可能な状態になります。
方法2 SDカードにコピーして読む(専用読書端末)
マイクロSDカードスロットのある読書端末の場合は、パソコンでSDカードにEPUBファイルをコピーしてそれを挿せば、本体の書籍ファイルと同様に読むことができます。ただ、SDカードを取り外せば本も消えてしまいますから、本体に書籍を保持しておきたい場合は、他の方法をとることになります。サイズの大きな自炊のPDFファイルを読ませる場合などにはよく利用されている方法のようですが、より軽いEPUBファイルの場合はSDカードを介するメリットはあまり感じられません。
方法3 オンラインストレージサービスから読み込む(専用読書端末・スマートデバイス)
クラウドにファイルを保存できるオンラインストレージサービスを利用すれば、上の1・2のような物理的な手間をかけずに、しかも一度で複数の端末・アプリにEPUBファイルを読ませることができます。もちろん、そうした環境を整えるには事前のセッティングが必要ですが、一度セットしてしまえば、毎回SDを抜き差ししたり、ケーブルをつないだりするよりはるかに簡単にファイルを読むことができるので、スマートデバイスはもちろん、ネット接続機能のある読書端末にもお勧めしたい方法です。
ここでは、オンラインストレージサービスの代表格であるDropboxを使った方法を簡単にご紹介します。
1.まずDropboxでアカウントを作成
2.パソコンからDropboxにEPUBファイルを保存しておく。
3.端末からDropboxにアクセス。
スマートデバイスの場合は、Dropboxのアプリが用意されていますので、それを導入して作成したアカウントにログインすれば、すぐに保存したEPUBファイルをアプリにダウンロードすることができます。iPhone・iPadなどのiOSデバイスとアンドロイドデバイスの場合の手順を以下にご紹介します。
【iOSからDropboxを利用】
1.Dropboxアプリを開きます。初めての場合は登録したメールアドレス・パスワードを入力してログイン。パソコンで作成した「MyDropbox」の中身が一覧で現れるので、保存したEPUBファイルを見つけてタップ。
2.読み込みが終ると「プレビューできません」という表示が現れますが、上部右端の点三つのメニューアイコンをタップ。現れるボックスから「エクスポート」をタップ、次いで「別のアプリで開く…」をタップ。するとインストールしている読書アプリのアイコンが現れるので利用したいアプリをタップして読み込みます。
【アンドロイドからDropboxを利用】
1.同じくDropboxアプリを開き、一覧から保存したEPUBファイルを見つけてタップ。
2.すると「このアプリで開く」というダイアログボックスを現れるので、使いたい読書アプリを選択し、下の「常時」か「1回のみ」をタップ。「常時」をタップすると選択したアプリがEPUBの既定アプリになり、以降はアプリを選択する手間なくEPUBを読み込むことでできるようになります。複数のアプリを使い分けたい場合は「1回のみ」をタップし、その都度ダイアログボックスでアプリを選択します。なお、既定アプリの設定はDropboxの設定から解除することが可能です。
一方、専用読書端末では付属のネットブラウザーからDropboxのサイトにアクセスし、自分の保存フォルダーを開くことになります。koboとソニーReaderの場合の手順を以下にご紹介します。
【楽天koboからDropboxを利用】
*2017年6月現在、残念ながら楽天koboからもDropboxを利用したEPUB本の読み込みができなくなっています。最新のファームウェアにアップデートした端末ではダウンロードが完了しないトラブルが発現します。なお、ファームウェアを旧バージョンに戻すことでこの現象は回避できます。
1.右上のメニューマークから「設定」→「体験版アプリ」(ファームウェア2.x の端末では「設定」→「その他」)と進んで、ブラウザーを起動。
2.ブラウザーのURL欄に「https://www.dropbox.com/m/login」と入力。
3.パソコンで設定したメールアドレスとパスワードでログイン。「次回から入力を省略」もチェック。
4.すると自分が登録したファイルの一覧画面になりますので、右下のメニューマークをタップし、お気に入りに追加、またはホーム画面に設定して、以後のDropboxへのイージーアクセスを確保しておきます。
5.ファイル一覧にめあてのEPUBファイルが表示されたら、ページ下部左端の「デスクトップ版」をタップ。
6.デスクトップ版のファイル一覧が表示されたらEPUBファイルの右端の三点ダーシ(…)をタップして、ポップアップされるメニューから「ダウンロード」をタップすればダウンロードが始まります。
【ソニーReaderからDropboxを利用】
*2017年5月現在、ソニーReaderからDropboxにログインできなくなっています。
1.PRS-T2はホーム画面の「アプリケーション」をタップして「ブラウザー」を起動。PRS-T1はホーム画面の2画面めの「ブラウザー」を起動。
2.ブラウザーのURL欄に「https://www.dropbox.com/m/login」と入力。
3.パソコンで設定したメールアドレスとパスワードでログイン。「次回から入力を省略」もチェック。
4.すると自分が登録したファイルの一覧画面になりますので、右上のハートマークをタップして「現在のページを追加」でお気に入りに追加しておけば、以後Dropboxへのアクセスが簡単になります。右下のメニューボタンから「その他」→「設定」→「ブラウザーホームの設定」と進めば、ホーム画面として設定することもできます。
5.ファイル一覧のEPUBファイルをタップすればダウンロードが始まります。
※最新のアップデートを適用したソニーReader(PRS-T3S/PRS-T2は1.1.00.18170、PRS-T1/PRS-G1は3.1.00.18240)では、タップしてもダウンロードが始まりません。その場合は、ファイル名を長押しして現れたダイヤログボックスの「リンクを保存」をタップすればダウンロードが始まります。
方法4 ダウンロードページから直接ダウンロード(スマートデバイス)
パソコンと同等のネット閲覧機能を備えたスマートデバイスでは、もちろんパソコンレスでEPUBファイルを購入・ダウンロードすることも容易です。また、Dropboxなどのオンラインストレージや共有ディスクなどにアップロードして、他の端末と共有できるようにすることも可能です。
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