「柳北奇文」詳細

遺臣ジャーナリスト成島柳北、明治新政を斬る

[柳北奇文]

 成島柳北(1837~1884)は代々江戸幕府の奧儒者を出す学問の名家に育ち、「徳川実紀」の編纂や将軍の侍講まで勤めながら、後に洋学に転じ、幕末動乱期には騎兵頭や外国奉行、会計副総裁などの要職にあったという、波瀾の経歴を持つ文人です。維新後は明治政府と距離を置き、民権派の論客として当時誕生したばかりの新聞に拠って健筆を揮いました。その文章は分厚い漢学の素養を土台に、おそらく洋学を通して学んだ西洋ジャーナリズムの辛辣かつアイロニカルな視点に立ち、さらに江戸譲りの地口や洒落といったユーモアを交えた、今も読んで面白く刺激的なものです。それは、江戸末・明治初期の知識階級が時代と切り結んで生まれた文章の内、最も知られている福沢諭吉のものと比較して、より文化的に洗練され、遥かに豊富な文芸的蓄積を駆使した目覚ましい作物として、もっと知られてもいいのではないかと思います。
 本書は、そうした柳北のジャーナリスティックな文章の内、明治7年の創刊以来社長を勤めた「朝野新聞」に掲載した「雑録」を集めて、明治11年に出版された『柳北奇文』を電子書籍化したものです。ここに収録されているのは数多く書かれた「雑録」のごく一部であり、「讒謗律」や「新聞紙条例」と戦った柳北の面目躍如たる文章も含まれないとはいえ、明治の世相や新政をあの手この手でからかい、注文をつけ、憂えた各編は、柳北のシャープな批評精神と自在な文章の技をうかがうに足るものとなっています。ただ、当時の和式漢語文の常である句読点のない漢字片かな交じりの原文はとても読みやすいとはいえず、電子書籍化に当たっては思い切って書式を整え、また難解な語句には注を加えて、当時「朝野新聞」の読者が熱烈に支持したという柳北コラムの妙味を現代に再現するべく努めました。

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改版記録 ▷2014.10.29
 巻末にまとめて置いていた注を、各項目ごとに変更しました。注とルビを増強しました。会話の部分に鍵括弧を追加しました。若干の誤字訂正を行いました。

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