期待の?Yahoo!ブックストア

 少し前のニュースですが、ヤフージャパンが「Yahoo!ブックストア」をアナウンスしてましたね。具体的にはこれからのようですが、電子書籍ポータルとして既存のサイトととはかなり違う方向性を表明しています。

 我々利用者の視点からすると、注目ポイントは2つあるかと思います。一つはマルチデバイス対応を打ち出していること。既存のストアの多くは、本とデバイス、本と読書ソフトを紐づけして、垂直統合型のビジネスモデルを構築しようとしています。アマゾンからして、独自フォーマットのAZWによってストアとKindleを往復するしかないような仕組みを作り上げています。一応最近はアプリを入れることでタブレットやスマートフォンでも読めるようですが、特に意識しなくてもどんなツールでも読めるという、本読みの誰もが持つだろう希望からはほど遠い状況です。これに対して、ヤフーは最初からどんなツールでも読めるという方向性で行きたいと言っているわけで、はやりの垂直統合型のビジネスモデルに反旗をひるがえした形だと思います。

 そして、そのためにヤフーが選んだ書籍フォーマットがepubです。これが第二の注目点。まあ、マルチデバイスをめざすなら、オープンフォーマットのepubで行くしかないのは当然のなりゆきですが、日本でepubで本を売ろうというストアはこれが初めてではないかと思います。もちろん、そのためには縦書き・ルビをサポートしたepub3が必須になるわけで、ヤフーは来年1月には対応を開始したいというスケジュールを示しています。epub3に対応した読書ツールは、今のところ、パソコン用のものしか出ていないようですが、対応を急いでいるらしいソニーReaderをはじめ、iPhone・iPadのiBooksやアンドロイドのepubリーダーなどで実装が進めば、Yahoo!ブックストアで買った本はほんとうにマルチデバイスで読めるようになる可能性はあります。

 ただし、その際問題になってくるのがDRM(デジタル著作権管理)、平たく言えばコピーガードということになります。今主流のDRMは電子書籍を端末にがっちり紐づけしていますから、そのままではマルチデバイスは無理なはず。ここをどうクリアするのか、技術的なことはわかりませんが、もしかしたら利用者の多いヤフージャパンのIDを通して認証というようなことも考えられるのでしょうか。ここをうまくクリアできるかどうかで、書籍を提供する出版社の動きも違ってくるんだろうと思います。

 いずれにしても、Yahoo!ブックストアがそのもくろみ通りオープンな電子読書環境を整えることができれば、低空飛行を続ける日本の電子書籍市場にも新しい展望が開ける可能性はあります。そして個人的には、epubがメインの電書フォーマットに躍り出る契機になるのではないかと期待しています。

3 comments »

  1. 12月 25, 2011 @ 11:14 PM

    Hi! Great Blog!

  2. akai apc20 said,
    12月 25, 2011 @ 10:26 PM

    Hi!This is really a good post!

  3. 11月 24, 2011 @ 8:13 AM

    Hi, this is a great post! Thanks..

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