「成島柳北 朝野新聞雑録集」明治11年編上詳細

批判精神と文人精神が融合した柳北の名コラムを再発見する

[成島柳北 朝野新聞雑録集 ―明治11年編上

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 成島柳北は明治7年から没年の明治17年まで、10年余に渡って最初期の新聞「朝野新聞」に携わり、その「雑録」欄に膨大な数のコラムを執筆しました。それは単なる社説でも自己完結的な随筆でもなく、政治や社会に対する辛辣な視線を深い学識と自在な修辞に包んで示した社会的文芸と呼ぶべきもので、その後わが国の文芸から社会性が急速に失われたなかで、稀な批評性を備えた瞠目すべき文章群となっています。当時「朝野新聞」は柳北の「雑録」あるがゆえに多くの読者を獲得し、生前にはその一部を収録した『柳北奇文』も出版されましたが、47歳で柳北が没し、その3年後には言文一致小説『浮雲』が現れるなど漢文脈が次第に退潮を迎えるなかで、漢学の教養を前提とする柳北の文章は、初期新聞の蕪雑な紙面に埋もれたまま、読まれる機会を失っていきました。
 本書はそうした柳北の「雑録」を本格的に集成し、読みやすく電子化して現代の読者に届けようとする初めての試みです。「朝野新聞」全紙から署名の有無に関わらず柳北の文章を見出すことをめざして、この明治11年編上には94編の「雑録」を収録。読みやすく表記を整えるとともに、理解に欠かせない語注を数多く施して、柳北コラムの妙味を現代に再現するべく努めています。最初期の新聞で批判精神と文人精神のみごとな融合を示した成島柳北の文章が、今日の日本に投げかけているものはけっして小さくないと考えます。

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